寒波

2004年1月13日
終日外にいたのですが、しかし本当に寒いし風の強い一日でした。台風並みの寒波って一体なんだこりゃという感じです。寒いのはいやだ。

<元気>自転車、大切なのはサドルの高さ

日頃の運動不足を今年は何とかしたい……。そんな人にお勧めなのは自転車。ジョギングやウオーキングより体に優しい上、簡単に楽しめて体力づくりにもつながります。自転車について調べてみました。

 「一番大切なのはサドルの高さを合わせること」

 自転車の研究を続けている岩月徹・産業技術総合研究所主任研究員はこう説く。「ペダルに足の力が最も強く伝わるのは、ひざが伸びきる直前です」。だから、ペダルが真下に来た時に、ひざがわずかに曲がっている状態でこぐのが最も効率的だ。この高さにするには、真下の位置にしたペダルにかかとを乗せて、ひざが完全に伸びきるようにすれば調整しやすいという。

 この高さだと、サドルに座ったままでは両足が地面につかない。それで、サドルを低めにしてしまう人が多い。「サドルが低いと力が出にくく、疲れやすい。止まる時は、サドルから降りて立てばいいのです」と岩月さん。

 茨城県つくば市の同研究所で、胸に心拍数を測る器具をつけて、実験用に固定された自転車に乗ってみた。心拍数は1分当たり70。適正な高さにした時と約10センチ低くした時の2回、30秒こいで時速30キロにした後、速度を維持して3分こぎ続けた。その間の平均心拍数を比べてみた。

 サドル高が適正の時は1分当たり145.9。それが、10センチ低いサドルでは147.5に上がった。こぎ終わった時の最高心拍数も、サドルが低い時は158.6で適正な高さより1.9高かった。

 私は運動不足のため、適正の時でも心拍数が高く、低い時との差が余りなかった。「運動している人なら、適正時の心拍数は20〜30ほど低くなります」と岩月さん。

 回転力の変化も見た。サドルが低い時は曲線の山の幅が狭く、狭い範囲でしか強い回転力が出せない。その分を補うため、ピーク時により強い力が必要だった。

 いつも自分が乗っている折りたたみ式ミニサイクルのサドルを調べてみると、適正な高さより約7センチ低かった。サドルを直して乗ると、太ももが疲れて苦しくなっていた坂道も、かなり楽に上れた。随分違うものだ。

 楽に乗るにはペダルの回転数も関係がある。

 石橋健司・大分大学教育福祉学部教授らは学生らに平らな道を様々な回転数で走らせる実験をした。1分に60回前後の時が最も効率的に体のエネルギーが使われていた。

 私が産総研で時速30キロを保ってこいだ時の回転数は74。かなり苦しかった。自分のミニサイクルで軽くゆっくりと走った時の回転数を数えると確かに60前後だった。

 「長く楽に乗り続けるには、回転数60を保つのがよい」と石橋さん。ペダルの回転数がわかる市販の速度計(5000円前後)をつけると走りのリズムがつかみやすい。

 自転車は、体に優しい体力作りの手段にもなる。

 「サドルで体重を支えるので、体重が重い人でもひざや足首に負担をかけずにできる」と青木純一郎・順天堂大学スポーツ健康科学部長。風を切って走る壮快感もあって長時間続けられるため、「脂肪の燃焼にも有利」と話す。

 青木さんらが、25〜54歳の男性8人にミニサイクルで平らな道を走ってもらった実験では、平均時速19キロを20分でエネルギー消費量が平均144キロカロリー。約40分間、普通に歩くのと同じ消費量だった。週3回20分以上ミニサイクルに乗る生活を6週間続けた結果、全員の体脂肪率が減った。減少幅は平均1ポイント。

 青木さんは3タイプに分けた自転車健康メニューを提案している。

 (1)ほとんど自転車に乗らない人や運動不足の人は、マイペースの速さでできるだけ毎日乗る。

 (2)通勤・通学・買い物でいつも使っている人は、週2、3回は遠回りして20〜30分乗る。

 (3)本格的に体力作りを目指す人は、週3回以上、運動強度が「やや強い」と実感できる速さで20分以上乗る。

 「スポーツ車よりミニサイクルの方が楽でない分、体力作りにはお勧め。『やや強い』という自分の感覚を大切に、むちゃをしないのが長続きのコツ」と青木さんは話している。

    ◇

 用具と交通法規

 自転車は走って止まる繰り返しが多く、冬場はかいた汗で体を冷やしやすい。長く乗る時は化繊の下着を着け、ウインドブレーカーの着用を。手袋は風の侵入を抑える構造で薄手のものがいい。

 本格的に乗るなら、靴を固定できる器具・ビンディング付きのペダルが坂道で威力を発揮する。

 法令上は軽車両なので、車道の左寄りを走るのが基本。歩道は「自転車通行可」の標識があるところでないと走れない。自動車と歩行者に注意して走ろう。

 もっと知るには

 順天堂大の青木さんが監修した「サイクリング・エクササイズ」(大泉書店、本体971円)や大分大の石橋さんらの「自転車と健康」(東京電機大学出版局、本体2100円)が詳しい。 (2004/01/12)

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